わたしは生きていける

今日はもう休もうと決めていたしタダ券があったので行ってきた。おおっ、これはなかなか。
冒頭からクドい説明抜きで展開が早い。このスピード感が中盤になって活きてくる。
主人公がいきなりイギリスの叔母の元に送られてくるが、この叔母はほんの少ししか出番がないわりに存在感がある。どうもジャーナリストのようで、テロリズムが専門らしい。また、主人公は微弱かもしれないが精神的な感応力のようなものを持っているらしいし、何かの薬物を常用している。
……というようなこともちょっとした伏線になっていて、凝った話の作り方をするなあと感じた。イギリスの田園風景もいい感じ。主人公も少しずつ従兄弟たちに心を開くようになってくる。
ところが中盤で話が一変する。ロンドンに核爆弾が落とされて、戦争が始まったのだ。と書くとなんだか唐突な展開に思えるが、確かにそうではあるのだけど、前述の叔母が電話で会話している内容などから、実はこの映画の中では世界情勢が一触即発の状況にあったことがわかる。
主人公は元々そういう体質だったのか、年長の従兄弟とテレパシー(?)のようなもので繋がっているらしく、一度は彼らと引き離されてしまうが、一番年下の従姉妹と共に彼らと再会しようとサバイバルが始まる。
この戦争はいったいどことどこが戦っているのか、また主人公と従兄弟の神秘的ともいえる繋がりは何なのか、これらの疑問に全く回答が用意されていないのがまた潔いし、家族との再会を強く求める主人公のサバイバルというテーマに集中できるようになっている。
音楽の使い方も上手いし、映像も美しく、また無駄な説明が一切ない物語がまたいい。観終わって『復活の日』を思い出した。