花輪和一『呪詛』

呪詛 (幽COMICS)

呪詛 (幽COMICS)

もう花輪和一が描く世界は、オレごときの想像力の遥か及ばない境地にまで達している。『呪詛』というタイトルからは今までの作品のような「業」や「怨念」といったキーワードを連想してしまうが、この短編集はそれだけにはとどまらない、「救い」すらも超えた何かだ。
意外なのは、現代の話や、天国や地獄ともまた違うどこともどの時代とも知れぬ異界を舞台にした話(「植民地」)もあること。そしてSTAP細胞騒動までも題材にしつつも、このような作品に仕上げるとは。