岡本星『ラブラブエイリアン』

ラブラブエイリアン(1) (ニチブンコミックス)

ラブラブエイリアン(1) (ニチブンコミックス)

ラブラブエイリアン (2) (ニチブンコミックス)

ラブラブエイリアン (2) (ニチブンコミックス)

電子書籍でなんとなく立ち読みしたら最初のネタがもう面白くて。カバー絵からは内容や面白さが伝わりづらいけど、ニチブンから出ているというのはある意味納得。
女性専用アパートの一室にたまたま不時着したエイリアンとそのアパートの住人のトーク・ライブ漫画(?)。このグルーヴ感あふれる会話が素晴らしくて、一話のページ数が短めなこともあってノリよく読める。でも通して読むとそれなりに時間がかかるのは、セリフが非常に多いからか。読んでる間はそんなことは全く気にならなくて、このダラダラとした会話が永遠に続けばいい、なんて思ってしまう。むしろフキダシの隙間を埋めるのが画、というくらいにセリフが多いが、登場人物たちの表情、特に目の表現力が高くて、ああこういう方法もあるんだなあと。
この漫画の紹介を読むと「ガールズ・トーク」というのがキーワードになっているようだけど、本場のガールズ・トークとはきっと全然違う。

「どんな本読んでんだろ」
「コカインやりながらバロウズじゃなーーい?」

なんていう会話は普通しないでしょ。
……というところにグッときてしまうのはオレの悪いクセ。
やーでも、このアパートの住人のキャラクターとか下ネタとか、本当に面白い。だいたいみんな口が悪くて、「茶髪のゆるふわパーマ」に対する違和感をズバリと言い当てるdisりにも思わず納得したりして。
たまに出てくるエイリアンのテクノロジーがまた面白いし、宇宙船が直ったのに地球の食べ物が美味いので居座ってしまうというのもいい。
続巻を期待しているけど、多少時間がかかってもいいからこの雰囲気を続けてほしいなあ。あと、この作者はシリアスものを連載中のようなので、そちらも読んでみよう。