メイズ・ランナー

いやあ面白かった。これは素晴らしい。久しぶりに手に汗握った。
『CUBE』のような、理由もよくわからずに突然閉鎖された環境に放り込まれて、知力と体力でもって道を切り開くというプロットが大好物のオレ。一個の人間にはとても太刀打ちできない巨大で謎に満ちた権力が背後に存在していればなおヨシ。この映画はそんな欲求を満たしてくれるどころか、もう好きなおかず全部のせみたいな。
三部作の一作目だということを知ったのは本当につい最近のこと。禁忌とされているこの迷路の中に入るまでが一作目のストーリーなのかなと勝手に想像していたところ、そんなチンケな想像をもっともっと超えたところまで強引ともいえるスピード感でもってブン回してくれた。
この不条理な世界観は、イアン・ワトスンの『川の書』に少し似ているかも。迷路のビジュアルは『ストーカー』を意識していそうだけど、タルコフスキーと異なるのは、眠くなる心配だけはまったく無用だというところか。
迷路を支配しているメカが生物と機械のハイブリッドというのもいい。謎解きがもっと複雑なほうがより好みではあるが、むしろパズル的な要素にはあまり凝らなくて正解なのかも。
映画が終わると、第二部の予告編があって、これもまた期待できそうだ。
小説が原作だそうで、日本語訳が出たら読もう。