『ファーストフード・ネイション』

てっきりドキュメンタリーだと思っていたら、フィクションだった。それでも、ファーストフード業界の内情はたぶんこんな感じなんだろうなあと思わせる説得力はあった。
牛を屠殺するMeat Is Murderなシーンはもちろん、食肉からハンバーガーを作る工程も描かれている。たぶん実在の屠殺場や工場でロケをしたのだと思うが、よく撮影が許可されたものだ。
ファーストフードだけではなく、格差社会や環境破壊についても触れている。ハンバーガーショップでバイトをしているまじめな高校生が環境問題にかぶれて牧場の牛を解放しようとしたりもするが、これはむしろ若気の至りとして描写しているとおれは解釈した。ファーストフードとその関連産業や環境破壊への批判というよりは、現代社会というか、アメリカをはじめとする先進諸国の現状に対する批判およびそこに暮らす人々が感じる不条理を訴えたかったのだと思う。こんなふうに工場で大量生産されたエサをありがたがって食っている現代人は、その原材料たる家畜の境遇と似たようなものだ。
何故かアヴリル・ラヴィーンが出ているが、ベジタリアンだから?ネタばれだけど、ブルース・ウィリスが出ていて、最初はそっくりさんかと思った。
後でチラシをみたら、マルコム・マクラレンも一枚かんでいるとのこと。そのわりには、音楽はたいしたことがなかった。