『いまここにある風景』

いやあ、よく寝た。始まって10分くらいで気を失ってしまい、たぶん20分くらいは熟睡していた。隣からも鼾が聞こえてきたし。
普通のドキュメンタリーかと思ったら、中国の経済発展のドキュメンタリーを作成するフォトジャーナリストの行動を記録するという、二重のドキュメンタリーなのであった。確かに写真は綺麗だけど、静止画を何枚も見せられてもなあ。これなら、ディスカバリー・チャンネルの番組でも見たほうがマシだった。
高度経済成長期まっただ中に生まれて重工業地帯で育ったおれにしてみれば、懐かしい風景。ただし、スケールが全く違うが。何せ向こうは人口が10倍だし。
しかし、工事現場でヘルメットも安全靴も装備しない労働者がいるなんて、信じられない。表沙汰にされないだけで、労働災害などはかなりあるのだろう。電器製品の組立工場の生産ラインの様子も、かつて生産技術に携わっていた者の目から見ると、稼働率が低そうだし、物流や在庫管理などの効率も悪そうなことは映像から見て取れる。
現在のペースで経済成長がずっと続くはずもないし、もうすぐ少子高齢化が問題になるだろう。そのせいなのか、都市や工場、工事現場とそこにいる人々の雰囲気が、刹那的なもののように感じた。