五月女ケイ子『レッツ!!古事記』

五月女ケイ子のレッツ!!古事記

五月女ケイ子のレッツ!!古事記

おおおこれは面白いぞ。
古事記をちゃんと読んだことはないんだけど、諸星大二郎山岸凉子京極夏彦といった作家達の漫画や小説などで間接的にだいたい知っている。そのせいか、むしろ妙なおかしみを感じた。黄泉比良坂のくだりなんて、稗田礼二郎の顔がどうしても浮かんじゃうし。
各ページの下にある五月女とオロチ博士のかけあいも面白くて、オロチ博士は物知りなくせに例えがいちいち俗っぽくて笑ってしまう。イザナキ(本文ママ)がアマテラスオオミカミツクヨミノミコト、スサノオノミコトを生むが、ツクヨミノミコトはこのあと登場しないことを指して、「ドリカムの人数の流れと考えるとわかりやすいでしょう」って。ちなみにこのくだりは、山岸凉子が「月読」で描いている部分だろう。
最近流行の原作レイプの安易な漫画たちとは、一線を画している。というか、コンセプトとして全く別物。だけど、Crab Rayの漫画などよりはよほどマシ(読んでないけど)。
最後に作者による出雲の旅行記があるのだけど、写真が見づらい。カラーとは言わないけど、写真をもう少し大きくするなどの配慮が欲しかった。