愛のむきだし

これはイイ!休憩をはさんで約4時間。長いけど、全く飽きなかった。
園子温の映画を観るのは実は初めて。『自殺サークル』は古屋兎丸の漫画を読んでいるが、別物っぽい。
重厚なストーリーを味わうというよりは、細かくつながれていくエピソードからメッセージを受け取って楽しむ感じか。ストーリーの最初のほうでは、ちょっとした勘違いやエゴのぶつかり合いが雪だるま式に膨らんで、どんどん主人公が負の連鎖に巻き込まれていくのが面白かった。前半のスピード感のある展開からは変わって後半は流れが少しだけ緩やかになるが、話の内容のわりには重い雰囲気にはならないし、前半でしっかりと人物関係が描かれていたのが効いていた。新興宗教に対する批判が紋切り型すぎるかな、とは思うが。
主役の二人ははまり役。それこそ、古屋兎丸の漫画にそのまま出てきそうな感じ。他のキャスティングも見事で、個人的にはコイケ役の安藤サクラが良かった。こういう、我の強い不思議ちゃん系っているよな。
「勃起を恥じるな」「変態で何が悪い」のような、チマチマした社会にガツンとかます直球なメッセージは大好きだ。