星野之宣『BLUE CITY CHRONICLE』1

BLUE CITY CHRONICLE ? (光文社コミック叢書signal)

BLUE CITY CHRONICLE ? (光文社コミック叢書signal)

未完だということは知っているが、『ブルーシティー』はところどころ拾い読みしかしていないので、買うことにした。ブルーシティーの内部が、まるで「光の国」みたいだなあ。まあ、こういう時代だったのよな。コノドントも、これが描かれた当時は全くの謎だったが、今では正体が明らかになっている。SFとはこういう宿命から逃れられないものであることよなあ。しかし結果論としてコノドントの正体については間違っていたわけだけど、作中のアイディアはなかなか面白い。あと、宇宙から飛来した病原体で人間がゾンビ化するというのは、『バイオメガ』に受け継がれているとか?このくだりは2巻でどんでん返しがありそうだけど。
しかし相変わらず強気の価格設定でございますこと(要するにボッタクリ)。まあ、他では手に入らないから、買うしかないんだけどさあ。こと本に関しては金に糸目はつけない主義だが、それも質と価格とが釣り合ってこそ。そういう意味で、この光文社のやり方って毎度毎度どうなの。
確かにカラーは綺麗だけど、紙は妙に厚いし、そのせいかおれが買った本は背が割れてしまっている。特に最近、鈍器のように厚い文庫本が可能になったのは、性能の良い糊が開発されたことと無関係ではないわけだが、そういう技術を導入するというような努力をしようという意志が感じられないのよな。あと、この解説は無駄なので、その分のコストも削減できるはず。
やはり光文社の『星野之宣SF作品集成I[CONTINENT]』にも「海の牙」は収録されているが、これは登場人物や世界観を共有している作品なので、まあよい。だがこの調子だと、2巻には「バトルブルー」が重複して収録されそうな予感がする。