J・G・バラード『狂風世界』

狂風世界 (創元SF文庫)

狂風世界 (創元SF文庫)

せっかく復刊されたことだし、苦手科目を克服しよう!と思い立って、2冊目のバラード。しかし古い版組のままなので、活字が細かくてオトナ目には辛いし、訳の古臭さ(初版は1970年だが、当時の基準でもこれは時代遅れだろう)もあって、読みづらいことこの上なし。
うーん、バラードはやっぱり苦手だ。というか、楽しみどころがわからない。前半の、主役の一人とその奥さんの関係や、もう一人の主役であるアメリカ人将校の行動などはちょっと面白かったのに、中盤からありがちがなパニックもののハリウッド映画調になってきて、ダレてしまった。各章の冒頭で小出しにされていた大物が後半になってやっと登場するが、むしろこのエピソードだけでもよかったような。
この「狂風」に関する説明はたぶんないのだろうなと予想していたし、合理的な説明がなされないのはむしろよかったと思う。
目標としては破滅三部作くらは読んでおきたいのところだが、いつになることやら。