インモータルズ

ターセム監督の前作『落下の王国』はちょっと期待はずれだったけれど、これはいい。事前に設定とストーリーの概要だけ調べたところ、これはモロにダン・シモンズの『イリアム』じゃないかと思ったら、実際概ねその通りだった。ギリシャ神話の神々がこっそり人間に紛れていたり、戦に加勢するくだりなんかはもうそのまんま。
ということもあってとても楽しめたのだけど、世間一般ではそんなに評価されないかもしれない。ほとんど全編がマッチョな肉弾戦で血ィがドバドバだし、風景や建物も既存の超有名ファンタジー映画の雰囲気によく似ているし、神々がまとっている服や仮面も金ピカでけばけばしい。でもそれがいいんだよなあ。このキッチュだけれどもギリギリのところで下品にならない意匠はさすが石岡瑛子。それにターセムの映像美が加われば、ストーリーなんかもうどうでもよくなる。
ミッキー・ロークが出ているというのも話題になっているようだが、オレ的にはジョン・ハートがとても重要な役で出ていたのが嬉しかった。『エイリアン』や『1984』の頃から老け顔だったから容貌があまり変わっていなくて、始まって早々に出てきたときにすぐわかった。