山岸凉子『日出処の天子』6, 7

いつものようにカラーページを再現してくれた上に、「馬屋古女王」と「日出所の天子 楽屋裏」、作者のインタビューまで収録されていて、これぞまさしく完全版。
たしか最後のほうはいろいろとゴタゴタがあって大急ぎで連載を終わらせたという経緯があった、という話を聞いたことがあるのだけど、むしろ展開が早いせいで緊張感が漲っている。最後の3話くらいの密度は、異常なくらいだ。
その興奮が冷めやらぬうちに「馬屋古女王」が読めるのだから、もう文句なし。
このシリーズは各巻の最初のページに五重の塔のシルエットが描かれていてちょっと違和感を覚えていたのだけど、最終巻まで読んで納得。なるほど。