ももいろクローバーZ『5TH DIMENSION』

最初はDVDがついてる初回盤Bのほうだけにしようと思っていたのだけど、初回盤Aには「白秋」のCDがつくということで、両方買ってしまった。
予めライブで2日にわたってパフォーマンス込みで聴いていたわけだけど、CDで聴いても新鮮だった。というか、全然印象が違う。ライブの演出や特設サイトの作りのせいでコンセプトアルバムという印象づけがされてしまったが、改めて聴いてみるとそんなにガチガチにコンセプト先行型というわけではなさそう。
もちろんあのSF的な世界観とストーリー性はそのまま感じられるけど、音響がとても良いとは言えないライブ会場では聴こえなかった細かい音がわかったり、パート分けが面白かったり。昨日からもう5回くらい聴いてるけど全然飽きない。
ポップス好きとしては、「仮想ディストピア」、「ゲッダーン!」、「上球物語 -Carpe diem-」が良いし、ラップはあまり好きではないオレでも「5 The POWER」は好き。「月と銀紙飛行船」、「灰とダイヤモンド」は本当に沁みるバラード。まさに捨て曲なし。
シングルで既発の曲も流れを乱すことなく上手い構成になっているものの、「猛烈〜」は宇宙が舞台の曲のわりにはあまり嵌まってない感じがする。まあこの曲はSFといってもスペースオペラみたいなものだから、仕方がないかも。「サラバ〜」も浮いているけど、次の「灰とダイヤモンド」に綺麗に繋がるのがいい。その一方で、「Z女戦争」がピタっといい位置に嵌まっているというのが面白い。「労働賛歌」もいいアクセントになっている。
ところでこの「労働賛歌」が、シングルとはちょっと音が違っているような気がする。「Z女戦争」も、「えーっ」、「どいてー」、「こい!」といった合いの手(?)が強調されているような。
初回盤Aの「白秋」はファンクラブサイトの動画で観たけど、やはりいい。ちゃんと吉田照美の曲紹介や南こうせつとのトークも収録されているし。「涙目のアリス」はソロ曲、ユニット曲の中では一番好きなんだが、わりとベタな80年代風シティポップスが、シンセからストリングスになるだけで印象ががらりと変わる。で、「白秋」といえば、第2部を激しく聴きたいんだけど、音源化されないのかな。アンプラグドな「ワニとシャンプー」や「LOST CHILD」とか、すごく興味がある。