花輪和一『月ノ光』
- 作者: 花輪和一
- 出版社/メーカー: 青林工藝舎
- 発売日: 2013/02/25
- メディア: コミック
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なので、これはサイン本なのだ。といっても花輪さんのことなので、黒地に銀の渋い小さめのサイン。
ガロを読み始めたのは80年代に入ってからなので、著者の70年代の作品にはちょっとした衝撃を受けたものだ。80年代にはすでにただの猟奇ものというよりは、どちらかというと中世日本ののどかな雰囲気で描かれるかなり毒気の強いファンタジックな作品というスタイルが確立されていたように思う。仏教色も強かったし、ストイックな表現者という印象があった。
けれどもこの本では直接的なエログロ表現や内輪ネタがかなり多い。つげ義春、川崎ゆきお、日野日出志などのパロディもあったりして、当時は意外に感じた。
そんな中で、表題作で描き下ろしの「月ノ光」こそは、オレが知っている花輪作品の特徴が前面に表れていて読んでいてホッとするし、内容をほとんど憶えていた。もちろん、他の作品も好きだけれども。