山本直樹『レッド』7

レッド(7) (KCデラックス)

レッド(7) (KCデラックス)

「オヤジさん」こと北の言動が狂気じみてきたのに対して、赤城の表情が柔らかく、また他のメンバーへの思いやりやフォローも見られるようになってきた。これは、6巻の「架空対談」での、総括する側の人間は実は本当に善意で相手のことを慮っていた、という発言が反映されているのかも、というのは考えすぎかな。
「架空対談」といえば、今回も面白い。連合赤軍内の男女関係についてもあけっぴろげにされている。著者もそのようなエピソードを折り込んで「いずれ描き直したい」と言っているが、確かにそういうエロさがあったほうが山本直樹らしい。
8巻の予告の画はおそらく天城の総括のシーンだと思われるが、いよいよ始まったか、という感じ。
あ、本棚に収めて初めて気がついたが、この7巻から、表紙が赤字に黒、背表紙が黒地に赤というように反転している。「ひとつになっ」て節目の巻だからか、ここで折り返し地点ということなのかも。