ワールド・ウォーZ

最近観たSF大作2本がもうダメダメのうんこ映画だったのでこれはどうなのかなーと思ってたところに、実はゾンビ映画であるという情報が。まあいずれにしても観るつもりだったけど、俄然やる気が出てきました。
最初の30分が息もつかせない展開で、これで一気に乗れた。でもその一方で冷静なほうの自分は、この映画の強引でご都合主義的なストーリー展開にツッコミを入れ続けていた。
そもそも、たまたま届いた一通のEメールに書いてあったキーワードをもって、これほどの大作戦を敢行する根拠たりうるのか?噛まれてから12秒でゾンビ化するという最初の設定はどこにいったのか?ゾンビはすでに生物学的には死んでいるはずだが、生存確率を高めるために生物が進化の過程で獲得したであろう本能を持っているものなのか?もしかしたら原作にはこういった疑問への回答があるのかもしれないけれども。
他にもいろいろと瑕疵のある映画ではあったけれども、期待以上に面白かった。根本にアメリカ中心の考え方があるもののこれはまあアメリカ映画なので仕方がないし、家族を守るという大義名分が主人公の行動原理になっているというのもありきたり。だけど、この映画からはただのハリウッド製娯楽映画にはない、ちょっとした変化を感じた。それは例えば、主人公一家がたまたま行きあったヒスパニック系の家族の少年の存在だったり、基本的にこの映画は世界をぐるりと一周するロードムービーである、ということだったり。
まあとにかくゾンビですよゾンビ。それも超機敏でとにかく強い。日本ではこれがゾンビ映画であることをあえて宣伝していないようだけど、出てくるゾンビの数としては、今までに観てきたゾンビ映画の中で最大ではないだろうか。でもゾンビ映画とはいっても、ロメロ作品はもちろん、「バイオハザード」とも違う全くの別物。この映画の感想をちょっとググってみたら、一緒くたにしてるバカチンがいて閉口した。