長崎ライチ『ふうらい姉妹』3

最初の3話くらいを読んで、このまま言語ギャグに走ってはいけないのではないか、吉田戦車みたいになってしまうのではないか、とちょっと心配になった。けれど、第三十回くらいから持ち直して、ひと安心。言葉がもつおかしみをギャグにするのもいいけど、やはり画がついていかないと。
この巻ではさらに濃いキャラクターが出てきたし、姉の言動もやや派手になってきたように感じた。これはこれで面白いし実験的でいいと思う。
それにしてもやはり気になるのは、姉妹が身に付けている衣装や小物だ。スクリーン・トーンというか、デジタルだとテクスチャ、という表現でいいのかな、まあとにかくそれらを上手く活用して切り返しやアシンメトリーにしていて、決して派手ではないけれどもかなり凝ったデザインをしている。カラーページの色使いもいいなあ。
今回は姉妹の幼少期のエピソードがおまけでついてきたけれども、もっとこの生活感ゼロの姉妹の出で立ちや家族構成などを知りたいという、スケベ心がむくむくと。次巻以降、少しずつ小出しにしてくれるといいんだけど。