クロニクル

話題の映画のようで、札幌の映画館でも急遽上映することになったというので観てきた。まあ、ぶっちゃけ『童夢』だった。それか、江口寿史の「ポッキー」。『AKIRA』と比較する向きもあるようだけど、『AKIRA』はむしろワイドスクリーン・バロックだと思っているので、ちょっと違うんじゃないか。そういや筒井康隆の『ミラーマンの時間』に収録されている短編群にも雰囲気が似ている。とにかく鍵となるのは、思春期の鬱屈した負のエネルギーと特殊能力、この組み合わせ。
Wikipediaにはファウンド・フッテージものだという記述があるけれども、いや、普通にフィクション映画でしょう。フェイク・ドキュメンタリーでもない。確かに主人公達はカメラを持って自撮りしているけど、明らかに神の視点というか、カメラマンさんが撮ったとしか解釈できないシーンがあるし。
この主人公が常にカメラを持ち歩いて自分たちを撮り続けているという設定は、これがないとただの超能力ものになってしまうとか、主人公のエキセントリックな性格を強調しているというのに加えて、後半のアクションシーンで監視カメラの映像に次々に切り替わる演出に繋げるという意図もあるんじゃないのかな。
決してつまらなかったわけではないけど、そんなにスゴイ、というほどでもなかった。
あ、でも音楽の使い方は面白かったな。そこで「ジギー・スターダスト」が来ますか!っていう。