私立恵比寿中学 オータムデフスターCOMECOMEツアー2013 〜デラックス・ジャム・ジャンボリー・ネオ〜

夏の河口湖でのLVを観てすっかりハマってしまい、気がつけばアルバム2枚とほとんどのライブBDを購入していたし、HDDレコーダの自動録画のキーワードにもしっかり登録されているのであった。9人全員の名前も自己紹介もちゃんと憶えた。
Zepp Sapporoで1日2回公演ということだが、ファンクラブにも入っていないしチケットの競争率がどのくらいのものかわからない。第二部はたぶん疲れてるだろうし、もし当たれば、という軽い気持ちで二階席にしたところ、一般先行で両方当選した。
いやあ、楽しかったなあ。ステージ上のスクリーンに、ターンテーブルと演っている曲名が描かれたアナログ盤のヴィジュアルが映し出されていたが、これは、たまに曲をDJ風につなげるという演出の一部なのだろう。といってそれが一分の隙もなく徹底されているというわけでもなくて、このノリは確かに学芸会のそれだ。セットリストも、エビ中の楽曲がそもそもそういう傾向だというのもあるけれど、クラス全員の意見を反映した結果、ごった煮ノンジャンルになりました、という感じ。
もちろんパフォーマンスはプロなわけだし、MCもほどよいユルさで間延びすることなくこなして(しかも面白い!)、これぞライブハウスでやるべきライブ(いや、学芸会か)という感じだった。
繰り返すが、エビ中は良い。9人もいるとグループに埋没してしまうメンバーもいそうなものだが、エビ中の場合はそれがない。全員の個性がかぶっておらず、数人だけ突出しているというわけでもなく、歌やダンスの得意不得意は多少あるけれどもそれを補い合うというふうでもないのに全員で「私立恵比寿中学」というユニットを成立させているというのは、まるで一個の共生生物のよう。


ところで、パッケージやCSなどでライブ映像を観ても今までいわゆる「推し」がいなかったのだけど、今日のライブでぱっと目を惹かれたのは「杏野なつ」。実はこの子は最後にやっと名前を憶えたのだけど、現場で観ると存在感がまるで違っていた。といっても、他のメンバーを圧倒するというようなことではなく、気がつけばこの子を目で追っていた、というところ。容貌が大人っぽくて、身長が高く手足も長くて、恵まれた身体を活かしたダンスがとても優雅でキレがある。「エビ中出席番号の歌」の歌詞にもあるけど、頭の回転が速そうだしMCもさりげない面白さがあった。今日は声の調子があまりよろしくなかったようで、歌唱面ではやや苦しげなところもあったけれども、わしは今日から断然この子を推すね。