セッションズ

今日は時間があったので、2本続けて観た。
ああ、これはいい映画だ。
主人公は6歳のときにポリオに罹って以来、首から下が麻痺して動かすことができない。詩人、ジャーナリストとして経済的には自立しているが、40歳近くなっても性体験はないまま。ある日、障害者と性というテーマでルポを依頼され、セックス・セラピストの治療を受けることになる。
障害者の性というのは、考えたこともなかった。また、セックス・セラピストと売春の関係、セラピスト(またはカウンセラー)と患者が恋愛感情をもつ転移という現象(筒井康隆の『パプリカ』では「ラポール」と呼んでいたような)など、なかなか重たいテーマを扱っているが、ユーモラスに描かれているので暗くはならないのがいい。
とにかく登場人物がみな自分に自信を持っていて溌剌としており、ストーリーも有り体のヒューマニズムに偏ることがなく、最後まで安心して観ることができた。
ところで、子供のころに図鑑か何かで、呼吸不全の人が入る「鉄の肺」なるもののイラストを見てとても怖かったのだけど、あのイラストはかなり実物に近かったんだな。