諸星大二郎『遠い世界』

やっとこう、テーマに合った短編集になったけど、このシリーズはこれで最後なんだよな。
「遠い国から」のシリーズはくり返し読んだ記憶がないのだけど、『COMICアレ!』に連載してたのか。懐かしいなー。調べたところ、短編集『夢の木の下で』にも入ってた。でもこの単行本とは構成が違うんだな。「夢の木の下で」が後にくるほうがすわりがいい。
描き下ろしの2編も円環をなすかのようになっていて、それら2編の間に「遠い世界」をテーマにした短編群が挟まれているという構成がなかなか面白い。
それと、地球外の惑星が舞台であると思われる「遠い国から」シリーズ以外は、日本だったりアフリカだったりするけれども、あくまでも地球での話なんだなあ。それでいて遥かに「遠い世界」を描いているというのが実にいい。