クルミクロニクル1周年ワンマン『Prismic Step』

開演は17時だけど事前物販で今日のためのTシャツやタオルもあるというので、14時すぎに会場へ。着くなり、リハーサルの音漏れが聴こえるロビーで列に並んだが、それほど待たされることもなく購入。直前までTwitterでライブの告知をしていたのであまり客が入らないんではと心配していたが、杞憂だった。
わりと番号が若かったので、前から4列目くらいで観ることができた。気がついてみれば会場はほぼ満員で、かといってぎっしりでもなく、クルミクロニクル本人も言っていたけど踊る余裕があるくらいのちょうど良い混み具合。会場の渋谷WOMBは初めて。4階建てくらいの高さがあるほぼ立方体の空間のせいか、反響が心地よく音がよかった。
クルミクロニクルはオープニングからもう半泣きだったけど、1年やって相当メンタルが鍛えられたのか、すぐに持ち直した。やはりたまに自分自身の発言で感極まって涙ぐんでいたりしていたけれども、歌はちゃんと唄えていたしダンスもキレがあった。
途中でDJを回したり(しかもDaft Punk「One More Time」のカバーというベタな選曲だが、これがいい)、ブレイクビーツの曲があったり、今日はVJもあったし前述のように音がいいということもあって、かなり楽しめた。
今までにフルアルバムとミニアルバムが1枚ずつ、あとはCD-Rや期間限定のダウンロード曲しかないので持ち歌は決して多くないが、約2時間、ダレることもなくMCも手際がよくなっていた。ドジ属性は相変わらずなので曲紹介で曲名を間違えたりたまにマイクをぶつけたりお辞儀したついでにDJブースにお尻をぶつけたりしていたが、そこはご愛嬌。
公式サイトのスケジュールには、今日のこのライブ以降の予定が全くないので少し気掛かりだったのだけど、やはり進学のために活動のペースは落とすとのこと。それでも本人は活動は続けたいようで、「忘れられないように」何かをたくらんでいるようだ。これは本人の口から直接聞けて却ってよかった。そのへんを有耶無耶にしてなんとなく露出が減っていくよりも、進学するならするでその意志を明確にしたほうがよい。今日のライブはカメラが何台も入っていたのでDVD化されるだろうから、まずはそれが楽しみかな。
ところで、クルミクロニクルを人に説明するときに一番手っ取り早いのは「初期のPみたいな」という形容なのだけど、やっぱり違う。一応アイドルいう枠組でありながらも楽曲の完成度が異常に高く、自ら作詞したり楽器を演奏(またはDJ)したりするところや、わりと性格がサバサバしていそうでMCもちょっとだけ毒気があるところなどは、20数年を経てやっと現れたポスト・森高千里といえるんじゃないか。ちょっと似た振り付けやフレーズがあって連想が働いただけなんだけども、わりと本気。