獸木野生『パーム36 TASK I』

「TASKが始まったら、PALMは終わる」だったっけ?そんな言葉が他の巻だったか『PALM BOOK』だったかに載っていたと思う。いずれにしても、これがPALMシリーズの最後のエピソードになるわけだ。
巻頭で、人工知能「アリス」がホログラムタンクに投影されている。読み始めた当初は気にしていなかったけれど、このPALMシリーズの舞台は1980年代なんだよな。そう考えるとテクノロジーが時代背景に合っていない。でも「アリス」とは別のAIである「ゼラ」も出てきて、なんだか不穏な空気が窺える。
ジェームスがカーターの妹と結婚してやたらとハイテンションになってたり、アンディがいつの間にかバイセクシュアルになっていたりと、この浮かれた雰囲気は次の巻でがらっと変わってしまうのかもしれない。ジェームスの事業の構想も今までの流れからするとかなり突飛な印象がするのも、伏線なんじゃないだろうか。そして次の展開は、AI同士の抗争だとか、AI対人類という、サイバーパンクな流れになったりして?