ゼロからでも始められるアイドル運営

小一時間で読めてしまうボリュームだし語り口が軽妙なのであっさりとした印象があるけれども、これはなかなか赤裸々なゆるめるモ!の誕生秘話と現在進行形の成長物語だ。
著者の「タケさん」はいつもゆるめるモ!のライブの物販にいて、寡黙そうだけれどもニコニコしていてとても温厚な方という印象がある。この本を読むと、なぜゆるめるモ!を結成したか、また去年のメンバーチェンジと新メンバーの加入は実際にどういう経緯だったのか、などなどが詳らかにされている。
タイトルにあるように、アイドル運営のノウハウも、こんなに手の内を明かしちゃっていいの?というくらいに人間関係や運営の実際、お金のことまでも具体的に書かれていて、それでいて生臭くならないというのは著者の人徳だろう。
また、そのように手の内を明かしたとしても、肝心なのは情熱なのだなあというのがひしひしと伝わってくる。だからこの本の対象は、ゆるめるモ!のファンか、ビジネス云々ではなくアイドルという仕組みでもってどのような形であれ世の中に一石を投じたいという強い情熱をもっている人なのではないか。アイドルブームに乗っかって一儲けしようというような人がこの本を参考にしたとしても、成功はするまい。
最近のゆるめるモ!はメンバーの一人が脱退することが決まっていて、その前にTokyo Idol Festivalに出たいということで署名活動を行ったりしていて、正直なところそのような行為には同意はできないのだけれども、それでも見守っていきたいという気持ちには変わりはない。
アイドルのライブに行くと必ず受け付けで「お目当ては?」と訊かれるが、これがダイレクトにアイドルグループの実入りになるとは知らなかった。これからはちゃんとそういうことにも気をつけたい。ただ、接触やチェキは性格的に苦手なので、そのあたりは勘弁してくださいすんません。そのかわり良いグッズがあれば積極的に購入するようにします。