渇き。

うん、オレもかなり大人になった。てっきりミステリ/スリラーだと思って観に行ったのに全然違ったけど、ちゃんと楽しめた。
映画としては、A級とかB級とかではなくて、クソ。だけどきっとクソを撮るべくしてできあがった映画だと思うので、これでいいんじゃないか。
まあ、血の繋がった家族であろうが友人同士であろうがコミュニケーションの可能性というのはぶっちゃけ幻想でしかないわけで、そのあたりを臆面もなくぶつけてきたところが面白い。そして、現代における「リアリティ」は、弱い者をいじめたりいじめられたり、他者を殺そうとして首を絞めるその皮膚感覚にこそある、なーんていうのはどっかのヒョーロンカが言いそうだからオレは言わない。
それにしてもこの映画は、俳優たちにかなり助けられている。主演の役所広司はもちろん、加菜子役の小松菜奈ははまり役だし、橋本愛は相変わらず存在感がすごい。妻夫木聡オダギリジョーの存在がまたいかがわしくていいんだなあ。