和泉晴紀『インテリやくざ文さん』

インテリやくざ 文さん

インテリやくざ 文さん

あれ、いつの間にか改名していたぞ。
第一話、電車で向いに座った女性の下着が覗ける角度についての考察というネタは、泉昌之名義であったような気がする。まあそれはいいとして。
中盤くらいまではなかなか面白い。細かいことが気になって仕方がないものの周りに波風を立てたくないゆえに自分で抱え込んでしまい、時に理不尽な目に遭ってしまうという文さんのキャラにブレがない。こういう人情の機微の空回りというか、裏返しというか、を描かせると泉昌之名義の作品もそうだけど本当に上手い。
でも途中から文さんのキャラが変わってしまって、それはちょっと余計なお世話なんじゃないか、というエピソードが増えてしまった。心の中でツッコミを入れるのはいいけど、それを声に出してしまうというのは違うんじゃないか。と、「個人的に」思うわけです。
で、この本をよく見たら原作は、「裏モノJAPAN」編集部、となっていて、もしかしたら途中から原作者というか編集者(?)が変わったのかも。