吾妻ひでお『ひみつのひでお日記』

なんで5年も前にウェブで公開していた日記を今になって出版するかな。KADOKAWAの金儲けとしか思えない。どうせなら写植じゃなくて書き文字のままにすればいいのに。活字にしちゃうと、誤植なのかオリジナル版ですでに間違えていたのかが判断できない。
まあそれはいいとして、2009年の日記の画はかなり荒れているけど、日を重ねるごとに良くなっていくというのが興味深い。ある意味リハビリだったのかも。
また、読書の感想がとても面白い。『華竜の宮』を、「物語の主題が政治的陰謀になっててさっぱりSFじゃない。」と切り捨てたり円城塔作品への不快感を露にする一方で、「筒井さんのは何でも◎。」という、評論ではなくあくまでも読者目線なのがいい。プロパーによる文芸批評が全く機能しておらず、ウェブの読書レビューのほとんどがゴミである今こそ、こういうコンテンツがほしい。日記形式でなくてもいいから、それこそTwitterみたいなノリでレビューしてくれないかな。
Twitterといえば、ハマり方と冷め方がごくふつーのおっさんという感じで面白かった。