星野之宣『血引きの岩』

血引きの岩 (ソノラマコミックス)

血引きの岩 (ソノラマコミックス)

こ、これは…
冒頭で著者自身が書いているとおり、かなり「残念」な感じ。確かに、いろいろと作中で説明されちゃうと、ホラーは醒めちゃうな。琵琶湖が黄泉の国という設定なんだけれども、だから日本の人口の増加に伴って琵琶湖も大きくなってきたが、かといって琵琶湖が戦国時代の10倍になったわけでもない。というような考証をしてしまうあたり、星野之宣表現者として正直すぎる。
山岸凉子も「千引きの石」というホラー短編を描いているが、そちらは主人公の一人称になっていて(山岸凉子のホラー短編はたいがいそうだけれども)、したがって主人公が知りえないことは語られていないのと、「説明」は怪異が起きた後にされている点が異なる。
装丁もコンビニで売ってるマンガ本みたいだし、それなのにこの価格はねえべ。